女の子が憧れる職業と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?ケーキ屋、花屋、アイドルなどが代表的ですね。また、女の子には子どもと接することを好む子が多いため、「幼稚園の先生になりたい」という声もよく聞きます。
思い返してみれば、子どもの頃、女の子は男の子よりも面倒見が良く、年少の子を気に掛ける傾向にありました。同年代であっても、やんちゃな男子をしっかり者の女子が窘める姿は、よく目にしたのではないでしょうか?同年代ならば、男の子よりも女の子のほうが大人びているというのは、多くの方に共通している認識でしょう。
そんなふうに、自分よりも年齢的・精神的に幼い子のことを気に掛けることが多い女の子が、子どもの面倒を見る幼稚園の先生に憧れるのは当然とも言えるかもしれませんね。
ところで、幼稚園の先生(幼稚園教諭)と言えば、おおよそ朝方から昼過ぎ頃まで、園で預かっている子どもの面倒を見ているというのが一般的なイメージですが、そのイメージと実際の仕事内容は合致しているのでしょうか?
幼稚園教諭の基本的な仕事は、一般的なイメージと大きな差異はありません。園内に子どもがいる時間帯は、ほとんどの時間を子どもの世話・指導に費やしています。たとえば、音楽や図画工作、運動などの活動を行ったり、時には園の近所に散歩に行ったりします。また、昼食時に食事のマナーや片付けの習慣を指導するのも幼稚園教諭の仕事です。
このように、基本的には子どもと接しているのが幼稚園教諭ですが、子どもの登園前・降園後にも仕事はあります。登園前ならば園内の掃除や設備の点検、降園後ならば書類作成や職員会議、教材準備などの仕事を行っています。特に、毎日の保育計画作成は、翌日の活動を決める重要な事務仕事です。
子どもと接する仕事といえばもう1つ、保育士があります。保育士も、幼稚園教諭と同様、女の子が憧れる職業に挙げられます。では、幼稚園教諭は保育士とどのような部分が異なっているのでしょうか?
分かりやすいのは、取得している資格と勤めている施設です。幼稚園教諭は一種、二種、専修いずれかの幼稚園教諭免許を取得しており、文部科学省管轄の幼稚園に勤めています。一方、保育士は保育士資格を取得しており、厚生労働省管轄の保育園に勤めています。
では、幼稚園と保育園には、どのような違いがあるのでしょうか?
受け入れ対象年齢や保育時間が、一般的に知られている両者の分かりやすい違いです。しかし、幼稚園と保育園の主な違いは保育内容・目的です。幼稚園が学習面を中心とした指導を行うことに対して、保育園では生活面を中心とした指導を行います。子どもに「教育」を行う施設であるか、「保育」を行う施設であるかということです。目的が異なるからこそ、対象年齢や保育時間などにも差が出るのです。
施設の目的に沿って考えると、幼稚園教諭が「教諭」という言葉通り「先生」の役割を担うことに対して、保育士は先生というよりも「保護者」の面が強いことが分かります。幼稚園教諭は、子どもに対して、より教育的指導を行いたい方が目標にする職業ということになりますね。
幼稚園教諭になるためには、まず4年制大学や短期大学を卒業し、幼稚園教諭免許を取得するのが一般的です。既に保育士資格を取得している場合は、3年の実務経験を経た後、幼稚園教員資格認定試験に合格することでも幼稚園教諭免許を取得することができます。
免許取得後は、公立幼稚園ならば自治体の公務員採用試験を、私立保育園ならば園ごとに個別に行われる就職試験を受けます。これらの試験情報は、幼稚園教諭の求人情報検索サイトなどを利用して、探してみてください。